「松永弾正爆死説」検証
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矢田挿雲『竹中半兵衛:太閤記外伝』、天祐書房、1943年2月11日発行
七十二 黒田官兵衛随從す
信長さへ平蜘蛛を所望しなければ、自分は何も土蜘蛛を差し出して一時を糊塗するに及ばなかつたのだ。土蜘蛛を差し出すことさへなくば、荒木だつて餘計なおしやべりをするはずはなかつたのだ。荒木さへ平蜘蛛と土蜘蛛の別を辯じ立てなければ、自分はこうして腹を切るに及ばなかつたのだ。それもこれもすべては信長の横車が原因だ。
松永久秀(以下、松永)「おれが死んだ後にこの平蜘蛛を信長に横取りされるかと思へば、死んでも死にきれない。そうだ、これを斯うして冥途の道連れにしよう』
と、ゐざり寄つて棚に飾つてある平蜘蛛を抱へて來たかと思ふと、ワナ〱慄ふ兩手に高く差しあげ
松永「やツ」
と一聲、碁盤めがけて投げつけた。平蜘蛛の名壷は粉微塵に碎けた。
松永「はツはツはゝゝゝ」
と松永は心地好げに笑つて、刀を腹に突き立てた。年は六十八歳であつた。
(478-479頁)
碁盤に平蜘蛛を投げつけて砕き、その直後に自刃すると描写されている
作:工藤かずや、画:池上遼一『信長』第7巻、小学館<ビッグコミックス>、1990年3月1日初版第1刷発行。
弾正・反逆の章
平蜘蛛以外の茶器を砕き、平蜘蛛には火薬を詰めて松明の火で点火して爆死(154~158頁)
戦国BASARA
(未確認)
信長の野望
(未確認)
炎の蜃気楼 まほろばの龍神
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(未確認)
山田芳裕『へうげもの』第1巻、講談社<モーニングKC>、2005年12月22日発売
第一席「君は"物"のために死ねるか!?」
火薬を詰めた平蜘蛛を体に縛り付け、見開き絵で壮絶に爆死。
平野耕太『ドリフターズ』第3巻、少年画報社<ヤングキングコミックス>、2013年3月18日発売
第35幕「共犯者は笑う」
織田信長「そいつは最後にゃ茶釜に火薬つめて爆死しやがった 一種の化物だな」
サンジェルミ伯「松永弾正(マツナガダンジョー)?あらやだあんなのといっしょ?ヒドいわあ」
織田信長とサンジェルミ伯の会話によると、『ドリフターズ』劇中では松永弾正は茶釜に火薬を詰めて爆死した模様。
軍師官兵衛
2014年(未確認)
(未確認)
(未確認)
『コミック乱ツインズ』2016年2月号、リイド社、2016年1月13日発行、2016年1月13日発売
原作:坂岡真、漫画:橋本孤蔵『鬼役』第29話「流転茄子」
平蜘蛛を腹に抱いて爆死する松永弾正久秀が描かれている(173頁)
『コミック乱ツインズ 戦国武将列伝』2016年6月号、リイド社、2016年4月26日発行、2016年4月26日発売
喜国雅彦『松永久秀になりたかった男』
ナレーション「信長に謀反を起こし信貴山城に籠城した久秀だったが天正五年(1577)に織田軍に攻撃されて城は落ちた。このとき久秀は信長が欲しがっていた平蜘蛛の茶釜を叩き割り、自ら爆薬に火を放ち、自爆した。」
(221頁)
描写を見ると「爆薬の入った木樽」に火を放って爆死したように描かれている。
平野耕太『ドリフターズ』第5巻、少年画報社<ヤングキングコミックス>、2016年6月6日発売
裏表紙
漂流物&廃棄物こうほ
No1.松永久秀
・戦国の世を飛びかったボンバーマン
・SEX狂の変態
・息するように謀反
・こいつと美濃のマムシ両方生み出す京都西岡って魔界か何かか
このように3巻に引き続き完全に爆死説が前提で描かれている