「テキストの改変」メモ
さいとう・たかを『ゴルゴ13』
「氷結海峡」
さいとう・たかを『ゴルゴ13』第30巻、リイド社<SPコミックス>、1978年。
さいとう・たかを『ゴルゴ13』第28巻、リイド社<SPコミックスコンパクト>、2004年。
元々の版では「エスキモー」の語が使われていたが、2004年に出た文庫版(SPコミックスコンパクト)では全て「イヌイット」に差し替えられている(ただし文庫版巻末収録の解説では「エスキモー」の語が用いられている。)
横山光輝『三国志』
乱兆
何進の屠殺業に関係した台詞・ナレーションの改変(1)
ナレーション『洛陽の街にウシやブタを殺して職業とする屠殺業の何進に美しいいもうとがいた』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1989年1月20日第39刷、133頁
ナレーション『洛陽の街に一軒の肉屋があった その店主何進に美しいいもうとがいた』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1991年10月20日第53刷、133頁。
「ウシやブタを殺して職業とする屠殺業」を「肉屋」にまとめて、絵もあっさりしたものとなっている。
何進の屠殺業に関係した台詞・ナレーションの改変(2)
蹇碩『もとはウシやブタを殺す職業の何進がいまは大将軍 しかも何后は自分のいもうと いもうとの生んだ子をあとつぎにしたいのは人情』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1989年1月20日第39刷、138頁。
蹇碩『いもうとが美しいというだけで何進がいまは大将軍 しかも何后は自分のいもうとの生んだ子をあとつぎにしたいのは人情』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1991年10月20日第53刷、138頁。
何進評が「いもうとが美しいというだけ」となっている。
何進の屠殺業に関係した台詞・ナレーションの改変(3)
ナレーション『もともと何進は身分もいやしく将軍になれるうつわではなかった』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1989年1月20日第39刷、155頁
ナレーション『何進は将軍になれるうつわではなかった』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1991年10月20日第53刷、155頁
身分に関係なく将軍になれるうつわでないとバッサリ
何進将軍の死
何進の屠殺業に関係した台詞・ナレーションの改変(4)
董卓『ふっふふふ ブタ殺しの何進に何ができる』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1989年1月20日第39刷、183頁
董卓『ふっふふふ 兵法も知らない何進に何ができる』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1991年10月20日第53刷、183頁
董卓が何進を侮る理由が「ブタ殺し」から「兵法を知らない」に
何進の屠殺業に関係した台詞・ナレーションの改変(5)
十常侍『フフ……大物ぶったかっこうをしてもしょせんはおまえはブタ殺し』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1989年1月20日第39刷、197頁
十常侍『フフ……大物ぶってもしょせんはかっこうだけ』
横山光輝『三国志』第3巻、潮出版社<希望コミックス>、1974年6月20日発行、1991年10月20日第53刷、197頁
凶馬
劉備の沓売りに関係した台詞の改変(1)
蔡夫人「玄徳などという人は油断もすきもありません あの人は昔はいやしい沓売りだったというじゃありませんか」
横山光輝『三国志』第20巻、潮出版社<希望コミックス>、1980年8月10日発行、1983年10月20日第11刷、43頁
蔡夫人「玄徳などという人は油断もすきもありません あの人は蓆を織っていたというじゃありませんか」
横山光輝『三国志』第20巻、潮出版社<希望コミックス>、1980年8月10日発行、1991年11月30日42刷、43頁
蔡夫人「玄徳などという人は油断も隙もありません あの人は昔は沓売りだったというじゃありませんか」
横山光輝『三国志』第20巻、潮出版社<希望コミックス>(ebookjapan)、2005年6月10日配信開始、2021年5月25日確認、43頁
単福の素性
劉備の沓売りに関係した台詞の改変(2)
曹操「お母さんよく聞きなさい あの玄徳という男は昔は沓を売り筵を織ってくらしていた男だ たまたま乱に乗じ無名の旗をかざし気取ってるだけ」
横山光輝『三国志』第21巻、潮出版社<希望コミックス>、1980年12月20日発行、1983年10月20日第10刷、45頁
曹操「お母さんよく聞きなさい あの玄徳という男は昔は蓆を織ってくらしていた男だ たまたま乱に乗じ無名の旗をかざし気取ってるだけ」
横山光輝『三国志』第21巻、潮出版社<希望コミックス>、1980年12月20日発行、1991年11月20日第40刷、45頁
曹操「お母さんよく聞きなさい あの玄徳という男は昔は沓を売り蓆を織って暮らしていた男だ たまたま乱に乗じ無名の旗をかざし気取ってるだけ」
横山光輝『三国志』第21巻、潮出版社<希望コミックス>(ebookjapan)、2005年6月10日配信開始、2021年5月25日確認、45頁
鳥山明『ワンダー・アイランド』
キチガイ→変人ども→マヌケども
キチガイにはつきあっとれんわ!
鳥山明『鳥山明◯作劇場』第1巻、集英社<ジャンプ・コミックス>、1983年、10頁
変人どもにはつきあっとれんわ!
鳥山明『鳥山明◯作劇場「改」其之三』、集英社<集英社ジャンプリミックス>、2004年、188頁
マヌケどもにはつきあっとれんわ!
鳥山明『鳥山明満漢全席』第1巻、集英社<集英社文庫>、2008年、264頁
「ワンダー・アイランド」は鳥山先生のデビュー作である。その原点すらも機械的に台詞が差し替えられていくのか…(困惑)
0004 鳥山明『POLA&LOID』
イロキチガイ→ヘンタイ→ヤレヤレ
イロキチガイカオマエハ…
鳥山明『鳥山明◯作劇場』第1巻、集英社<ジャンプ・コミックス>、1983年、61頁
ヘンタイカオマエハ…
鳥山明『鳥山明◯作劇場「改」其之二』、集英社<集英社ジャンプリミックス>、2003年、29頁
………………ヤレヤレ…
鳥山明『鳥山明満漢全席』第1巻、集英社<集英社文庫>、2008年、221頁
イロキチガイ→ヘンタイ→ヤレヤレと表現がソフトなものに差し替えられている。
鳥山明『DRAGON BALL』
其之百十 ピラフの大作戦
シュウ(ソバ)
ピラフ大王「なっなにごとだシュウ!!」
鳥山明『DRAGON BALL モノクロ版』第10巻、集英社<ジャンプコミックスDIGITAL>、23頁
『DRAGON BALL』ではシュウ(ソバ)のキャラ名の修正がモノクロ版とカラー版で異なる。ピラフ大王「なっなにごとだソバ!!」
鳥山明『DRAGON BALL カラー版 レッドリボン軍編』第5巻、集英社<ジャンプコミックスDIGITAL>、No.134
武内直子『美少女戦士セーラームーン』
廃人→病気
うさぎ『みんな!パソコンからはなれて!廃人になるわよ!』
武内直子『美少女戦士セーラームーン』第1巻、講談社<KCなかよし>、1992年7月6日第1刷発行、1993年1月25日第5刷発行、65頁
うさぎ『みんな!パソコンからはなれて!廃人になるわよ!』
武内直子『美少女戦士セーラームーン新装版』第1巻、講談社<KCデラックス>、2003年9月22日第1刷発行、2013年9月3日第16刷発行、71頁
うさぎ『みんな!パソコンからはなれて!病気になるわよ!』
武内直子『美少女戦士セーラームーン完全版』第1巻、講談社、2013年11月29日第1刷発行、71頁
廃人という語が無くなったのは完全版(2013年)の次の年にネット配信された新作『セーラームーンCrystal』への配慮だったりするのだろうか?
冨樫義博『レベルE』
No.004 From the darkness
精神クリニック→クリニック
つぶれかけた精神クリニックがある
冨樫義博『レベルE』第1巻、集英社<ジャンプ・コミックス>、1996年3月9日第1刷発行、2005年5月16日第36刷発行、166頁。
つぶれかけた精神クリニックがある
冨樫義博『レベルE』上巻、集英社<集英社文庫>、2010年9月22日第1刷発行、2011年1月25日第4刷発行、166頁
つぶれかけたクリニックがある
冨樫義博『レベルE』上巻、集英社<ジャンプコミックスDIGITAL>、2014年デジタル版発行、166頁
この次の回(No.005)で「精神科のドアを叩く」という表現が出てくるので、「精神クリニック」から「精神」の語を省く意味はそもそもあるのだろうか?
木多康昭『幕張』
千葉その1 こちら千葉市美浜区海浜公園前幕南
姉歯元建築士
「奈良母(ミイラ)は何かをごまかして野村と付き合い始めたのだ………」「何かをごまかしているといえば姉歯元建築士も偽装マンション以外に何かを隠しているような気がする……」と思ったとき 夢の対戦カードを思いついた。姉歯元建築士VS小倉智昭(とくダネ)のマスクマン対決!!※本当に負けた方はマスクを取ります!!「これを年末にやれば紅白に勝てるで」…と薄ら笑いを浮かべる意識を失った塩田の顔は美しかった……
木多康昭『幕張』第1巻、ハイストーン<highstone comic>、2014年発行
姉歯元建築士ネタは明らかに連載開始年(1996年)のものではない
高橋和希『遊☆戯☆王』
遊闘65 決闘開始
命→デッキ
遊戯「命を賭けるぜ!!」
高橋和希『遊☆戯☆王』第8巻、集英社<ジャンプ・コミックス>、1998年5月6日第1刷発行、1998年12月29日第9刷発行、102頁
遊戯「カードを全て賭けるぜ!!」
高橋和希『遊☆戯☆王』第5巻、集英社<集英社文庫>、2007年7月23日第1刷発行、120頁
これは自粛したというよりは後の回で海馬社長がとった「負けたら死ぬ」戦法と同じじゃねえかって事で変更されたのかもしれない。(ちなみにアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』でもカードを掛けている。
遊闘81 見えないカード!!
闇遊戯と闇のプレイヤーキラーとの会話における「命」に関わる台詞の改変(1)
遊戯「命(いのち)だ!!」
高橋和希『遊☆戯☆王』第10巻、集英社<ジャンプ・コミックス>、1998年10月7日第1刷発行、56頁
遊戯「命(プライド)だ!!」
高橋和希『遊☆戯☆王』第6巻、集英社<集英社文庫>、2007年7月23日第1刷発行、2008年4月22日第3刷発行、168頁
遊戯に命を賭けさせないために、命(プライド)なる謎のルビを出す謎の努力。海外版だとどうなってるんでしょうか。
闇遊戯と闇のプレイヤーキラーとの会話における「命」に関わる台詞の改変(2)
闇のプレイヤーキラー「だが口で軽々しく『命』とほざいても信用はできねえなぁぁぁ」
高橋和希『遊☆戯☆王』第10巻、集英社<ジャンプ・コミックス>、1998年10月7日第1刷発行、56頁
闇のプレイヤーキラー「ならゲームをさらにおもしろくするか…」
高橋和希『遊☆戯☆王』第6巻、集英社<集英社文庫>、2007年7月23日第1刷発行、2008年4月22日第3刷発行、168頁
台詞改変後の遊戯は『命(いのち)』とは言ってないので当然闇のプレイヤーキラーの台詞も変わる。
遊戯と闇のプレイヤーキラーとの会話における「命」に関わる台詞の改変(3)
闇のプレイヤーキラー「そこでだ 貴様にはその首に命の保証書がわりに『かせ』をはめさせてもらうぜ」
高橋和希『遊☆戯☆王』第10巻、集英社<ジャンプ・コミックス>、1998年10月7日第1刷発行、56頁
闇のプレイヤーキラー「そこでだ 貴様にはその首に保証書がわりに『かせ』をはめさせてもらうぜ」
高橋和希『遊☆戯☆王』第6巻、集英社<集英社文庫>、2007年7月23日第1刷発行、2008年4月22日第3刷発行、168頁
台詞改変前は『命』を奪うための『かせ』である事はハッキリしてるが、改変後は『命』が省かれていて曖昧になっている。
遊戯と闇のプレイヤーキラーとの会話における「命」に関わる台詞の改変(4)
遊戯「いいだろう オレが負けたら首をやるぜ!」
高橋和希『遊☆戯☆王』第10巻、集英社<ジャンプ・コミックス>、1998年10月7日第1刷発行、57頁
遊戯「いいだろう オレが負けたら好きにしな!」
高橋和希『遊☆戯☆王』第6巻、集英社<集英社文庫>、2007年7月23日第1刷発行、2008年4月22日第3刷発行、169頁
台詞改変前は『命』のやりとりを覚悟した台詞だが、改変後は命を落とさない類の処遇を連想させる台詞になっている。
遊戯と闇のプレイヤーキラーとの会話における「命」に関わる台詞の改変(5)
星(スターチップ)6個+命(いのち)
高橋和希『遊☆戯☆王』第10巻、集英社<ジャンプ・コミックス>、1998年10月7日第1刷発行、58頁
星(スターチップ)6個+命(プライド)
高橋和希『遊☆戯☆王』第6巻、集英社<集英社文庫>、2007年7月23日第1刷発行、2008年4月22日第3刷発行、170頁
「いのち」を「プライド」に修正